ウソだらけの業界

あだちの家。

2010年06月11日 12:08

昨日、建築業界のある機関の知人と久しぶりに電話した時に、
とても悲しい話を聞いた。

その知人が業者向けに、エコポイントの説明会で説明をしている時に業者から出た言葉。

「エコポイントを使って30万円補助金を貰うなら、
自分はお客様に30万円値引きする。」


家の性能を上げ、環境そして住まい手の為に支援する制度に対して、
同業者が吐く言葉とは思えない発言だ。

たしかに僕自身も、新築に対してのエコポイントは意味がないものだと考えてはいるが、
それは長期優良住宅の100万円補助と比較しての話だ。

エコポイントの基準である次世代省エネ基準(温熱等級4)またはトップランナー基準(温熱等級4 + 省エネ設備)で施工された住まいは、あきらかに建築基準法基準の断熱性能とは違う。

実際に当社にてトップランナー基準で建たれたお客様に聞くと、電気設備器機も建物の広さも以前の3倍以上になったにも関わらず、「新築前に住んでいた住まいに比べて電気代が半分になった。」と伺った。当然CO2排出量も大幅に軽減される。

そんなありがたい制度を「書類が増えるから、」「申請方法がややこしいから、」「仕様が分からないから、」など手前勝手な理由を正当な理由に言い換え、お客様に間違った情報を伝える業者は、もはや「知らないから許される」というレベルの問題ではないと思う。

阪神大震災で1万人近い人が亡くなったという事実。

耐震偽装事件以降、次々と発覚している手抜き工事。

減らすどころかどんどん増えているCO2排出量。


その事実を元に改正している
昨今の建築関連の法律は、本当に中小業者いじめの法律ですか?
住まい手の為にならない法律だと思いますか?


僕自身はそうは思わないし、むしろ逆だと思っています。
あらためて最近感じることは、現在の建築業界の進歩を止めているのは国でも建て主でもなく、僕たち建築業者だということです。

足立建築は1日も早く、

「エコポイントを使って30万円補助金を貰うなら、
自分はお客様に30万円値引きする。」


などと悲しい言葉を吐く業者を減らし、
現在の法改正の基準となっている住宅性能表示制度が全国で標準化していくよう、
これからも普及活動を行っていくことを皆様にお約束します。

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